葉酸は出産を望む女性には欠かすことのできないビタミンです。
日本では、妊娠を望む女性は妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月までは葉酸サプリの摂取を呼びかけています。
葉酸はビタミンB群の一種で、赤血球の形成に関与しているため、造血ビタミンといわれています。
赤血球は約120日サイクルで生まれ変わりますが、その際に葉酸が不足していると赤血球が形成されず貧血となります。他にも「ホモシステイン」というアミノ酸が必須アミノ酸の「メチオニン」を生成する際に葉酸が必要となります。
ホモシステイン血中に増えるとLDLコレステロールと結合しは動脈硬化の原因となることがわかっています。
葉酸が少ないとホモシステイン濃度が高くなる為、動脈硬化予防の為にも重要なビタミンとされています。
そして葉酸は、タンパク質や細胞の増殖に必要な“DNA・RNA”の形成に関与しており、このため胎児が発育する妊娠中や授乳中に必要不可欠なビタミンとされています。
特に、妊娠1ヶ月前~妊娠3ヶ月までに摂取することで赤ちゃんの『神経管閉鎖障害』という先天異常の発症リスクを減らすことができるといわれています。
したがって、妊娠の計画や可能性のある方は通常の食事以外に400μgの葉酸を摂取することがリスク低減のために望ましいとされています。米国では、1998年に穀物に葉酸を添加が義務付けられています。
主食として摂るパン・シリアル・小麦粉・パスタなどに葉酸が含まれることで、神経管欠損症や二分脊椎症のような新生児障害の赤ちゃんの割合が下がっています。
日本でも2000年より厚生労働省が勧告していますが、それでも発症率が減少していないのが実情です。
母子手帳には葉酸の必要性が明記されていますが、母子手帳をもらうのは妊娠後です。
しかし、葉酸は妊娠1か月前から多めに摂取しておく必要があり、母子手帳をもらってからでは遅いのです。
また、葉酸は水溶性のビタミンです。ブロッコリーや菜の花、ほうれん草などの色の濃い野菜や柑橘類、レバーなどに含まれていますが、調理時に流出しやすいことや吸収率も低いことから食品だけでは、妊娠前後に必要な400μgを補うことが難しいとされています。
従って、食品に添加されていない日本では、普通の食事にプラスしてサプリメントを摂る必要があるのです。
また、日本では出産も高齢化していますが、高齢出産はダウン症児の出生率が高くなることがわかっています。
これも、日々の栄養バランスと葉酸をしっかり摂取しておくことである程度防ぐことができるのではないのではないかと期待されています。
妊娠を望む場合は、妊娠する前から母胎に葉酸を充分に満たしておくことで、胎児の神経管が形成時されるときに葉酸を利用することができるのです。
ですので、赤ちゃんが欲しいと思ったその時から、栄養バランスに気をつけ葉酸を摂取しておくことがいいですね。
ただ、この葉酸、最近の調査では過剰摂取すると、妊婦自身の発熱・じんましんの発症や胎児がぜんそくになるリスクがあるという報告もあります。
できるだけ通常の食材!あるいは含有量表示してあるシリアルなどから摂取し、サプリメントを利用する場合は上限の1000μgをオーバーしないように注意する必要です。