私たちが通常の診療のなかで、足首をひねったとかかべに腕をぶつけたなどが急におこったときにRICE処置と呼ばれる処置をまず念頭基本に治療に入ります。
RICE処置とは、
Rest 安静
Ice 冷却
Compression 圧迫
Elevation 挙上
この基本4原則にのっとって治療を行います。
この4原則をおこなう意味は、急におこった症状に対して痛みを和らげ、出血、浮腫による腫れを抑える働きがあります。
この中で特に重要な処置は、Rest(安静)と考えられます。急に起こった症状はやはりあまり動かさずに来院することが重要となります。
しかし、来院されるみなさまにお聞きするととにかく「冷やせ」といわれてガンガン冷やしましたとこちらにお越しになるかたが多いですね。
Ice(冷却)は重要な項目ではありますが、方法を間違えてしまうとかえって悪化または疼痛の増強がおこってしまう可能性があります。
先日も一昼夜ず~~~と冷やしていましたという方が、早朝からお越しになった捻挫の症状がございました。冷やしたらこんなになったしまいましたと何と凍傷に近い、皮膚表面充血から火脹れにて水ほうができてしまっていたのです。
これはかなり極端な例ではございますが、冷却にて冷やす場合、どのような素材のもので、どのくらいの時間、どのくらいの範囲を、何℃ぐらいで直接なのか、間接なのかがとても重要な問題となってきます。
この問題は、温めるときも同様となります。この問題に関しては、プロでもたまに判断ミスをしてしまい医療事故となってしまうことがあるぐらいとなります。
もし冷却にて冷やす場合では、直接的に冷やさないように注意してください。その際、何か手ぬぐいなどをひとつかましていただくといいと思います。
しかし高級なタオルなどふわふわした生地ですと厚みが増して冷却の伝導(伝わり)が悪くなるので、注意してください。
目安としては、10~15分の冷却ののち10~15分のお休みを1ク-ルとして多くて3クールぐらいにしておいてください。時間的にはこれぐらいで十分でしょう。
温める場合にも同様な注意が必要です。温める場合には直接におこなうと低温やけどにもなりやすくなります。
安静にして無理に動かさないようにしていただければ、
冷却は無理にがんがんとやらなくても結構でしょう。もし冷やすようでしたら適度におこなってください。基本は、急性の症状であれば、安静にして動かせる範囲で来院する。
慢性的な症状では常温で動かせる範囲で動かす。以上が鉄則となります。